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工法の魅力に惚れ込んだ『2×4博士』

家づくりのプロフェッショナル~『商品開発職』

博士のルーツは“工作大好き”な少年時代にあり

今回お話を伺った、三井ホーム 商品開発部『住まいと暮らしの研究所』の吉澤敏幸さん。長年、数多くの商品開発に携わり、社内では『2×4博士』の愛称で呼ばれています。吉澤さんは、子どもの頃からモノづくりが大好き。中学・高校生の頃は、ラジコンボートづくりに熱中していたそうです。「改造・改良が得意で既製品では飽き足らず、エンジンをチューンナップしたりスクリューを自ら制作したりして、より良い走りができるよう工夫しました」。高校時代、自作のボートで出場した大会は全国2位入賞。「ボートは合板のモノコック構造でしたから、今思えば2×4の家に通じるものがありますよね(笑)」。

大学では建築を専攻。当初は、大規模なビルや商業施設に関心があったものの、フランク・ロイド・ライトの建築思想に触れ“個人住宅は奥深い!”と開眼したとか。「卒業後、三井ホームに入社し、設計や資材の輸入、商品開発などの仕事に携わり、来年(2017年3月)で勤続40年になります」。

三井ホーム 商品開発部 住まいと暮らしの研究所 吉澤敏幸さん
休日は、日曜大工やガーデニング、アウトドアスポーツに没頭してリフレッシュするそう。

カタログに掲載された、吉澤さんのインタビュー記事

入社後、地方支店で実邸の設計に携わった後、商品開発部に異動。「当時、2×4工法の先駆者だった建築家の納賀雄嗣さんから、この工法の思想や技術に関してじっくりと学ぶ機会を得ました。2×4の良さを再認識した、非常に貴重な時間でしたね」。折しも社内では、北米の優良な資材を活用しようという機運が高まり、吉澤さんはアメリカ・オレゴン州の現地法人(三井ホームアメリカ株式会社)に赴任することに。2×4工法の故郷である北米で、本場の家づくりに触れることになります。

「2×4は、アメリカという自由競争の社会で、長年かけてスタンダードとして生き残った住宅工法。そのことが、この工法の素晴らしさを証明していると思います。構造面の強さはもちろん、部材が合理的に規格化されているため効率よく建築でき、コストパフォーマンスも高い。また、新築だけでなく増改築もしやすいため、築100年以上の家が快適に住み継がれています。アメリカ駐在は、2×4の優れた点を肌で実感できた6年間でした」。帰国後、資材部を経て商品開発部に戻り、超高気密・高断熱を実現する構造部材の導入や開発業務に従事。現在、同社オリジナル部材の『ダブルシールドパネル』として実を結んでいます。

高断熱・高強度の屋根をつくる『ダブルシールドパネル』は、天井ではなく屋根そのもので日射熱を遮断するしくみ。
「小屋裏に熱がこもらないので、屋根勾配を活かした大空間を快適に楽しめます。自宅にも採用していますが、快適ですよ」

“街並み”という視点に立った家づくり

現在は、同社内にある『住まいと暮らしの研究所』を兼務し、街並みづくりや街の活性化に関する研究にも取り組んでいる吉澤さん。「昔の家は敷地の境界が曖昧で、縁側にご近所さんが立ち寄り、話に花が咲くというようなシーンがありました。今は、塀を設けて外部に対して閉じる形がスタンダードですが、縁側のような中間領域を設けることは、街並みを魅力的にする有効な方法だと思います」。

たとえば、樹木や花などのグリーンで道路境界を緩やかに区切ることで、街並みの表情が優しくなります。また、グリーンの手入れは、道行く人との会話のきっかけになることも。「家を建てる時は、自分が住む建物のことに気持ちが集中しがちです。でも、そこで少し視野を広げて、わが家が“街並みをつくる大切な一つの構成要素”だということに思い至っていただきたいですね。その点をきちんとアドバイスし、うまくまとめていくのが、われわれハウスメーカーの仕事でもあるのですが」。街並みが魅力的になれば、街が元気になり、住む人の幸せにもつながる――そのためには、草の根的に一軒一軒の家づくりから始めるのが、遠回りのようで一番早いと吉澤さんは語ります。

植栽やウッドデッキなどでゆるやかに外とつながり、街にひらいた外構。
道行く人の目を楽しませてくれ、人々のコミュニケーションの場にもなります


最後に、長年ハウスメーカーの社員として仕事をしてきた吉澤さんに、大手メーカーのメリットについて伺いました。「住宅はどんどん進化し、さまざまな分野の専門知識が不可欠な時代となりました。それらを一人の人間でカバーするのは至難の技です。そこで、幅広い分野のプロフェッショナルを数多く擁する、ハウスメーカーのメリットが活きると思います。商業施設やオフィスビルなどの大規模建築と同様に、今後は、個人住宅もチーム制で手がけるようになっていくはず。そんな時代だからこそ、人材が豊富で層も厚い、大手ハウスメーカーの組織力が活きてくると思います」。

(文責:イエノミカタ編集部)

参考サイト

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