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省エネ住宅を上手に“住みこなす”ための技術

家づくりのプロフェッショナル~『技術職』

太陽光発電搭載住宅のコンサルティングで活躍する“ゼロハイム博士”

積水化学工業 住宅カンパニー 商品企画部の塩 将一さん。長年、太陽光発電搭載住宅の開発・普及につとめてきた、太陽光発電のスペシャリストです。「大学は工学専攻で、今後は“環境”が面白いテーマになると思い、環境計画学を選びました。入社後、13年間は大阪・神戸の営業所で実邸の設計を担当。その後、商品開発、商品企画の仕事に移ってからは、環境、エネルギーの分野に長年携わっています」。

「弊社は1997年に、太陽光発電搭載住宅を業界に先駆けて発売開始しました。当時のトップから“これからは太陽光発電の時代だ”と言われ、今後ずっと担当するようにとお達しが。その言葉通り、太陽光発電にどっぷりつかってここまで来ました(笑)」。

積水化学工業 住宅カンパニー 商品開発部 商品企画部
技術渉外グループ グループ長 塩 将一さん。「太陽光発電一筋で20年近くが経ちました」

それから7年後の2004年、太陽光発電搭載住宅の入居者と入居希望者向けの専用サイト『おひさまハイムFAN』をスタート。塩さんは、サイト立ち上げの責任者として奮闘しました。「当時はまだ電力モニターを標準搭載しておらず、発電効果が実感しづらい状態でした。発電した電気を最適に活かす方法や、光熱費の効果的な削減方法がわからないため、“お金をかけて太陽光発電を導入したのに、思っていたよりお得感がない”という声が多かったんです。せっかく高性能な住宅を建てても、そのポテンシャルを活かしきれていなかったということです」。

「そこで、省エネ住宅を上手に住みこなす“住まい方提案”の必要性を感じ、『おひさまハイムFAN』の開設に至りました」。当時は、アンケート調査によるデータ収集・情報発信がメイン。入居者向けに、光熱費を削減するためのアドバイスや、入居者のインタビュー・光熱費のデータなどを掲載していました。


初期の住まい方提案サイト『おひさまハイムFAN』。
塩さんをキャラクター化した“ゼロハイム博士”(右)も登場し、省エネのアイデアをレクチャー

現在、『おひさまハイムFAN』は『スマートハイムFAN』に進化しています。「コミュニケーション型HEMS※を搭載した住宅の電力消費・発電情報を、データセンターに集約・蓄積・分析するしくみをつくりました」。これにより、入居者自らがパソコンやスマートフォンで、自宅の電力の需給状況や光熱費を詳しくチェックできるように。さらに、地域や家族構成、暖房や給湯器の種類などの属性から住まい方を細かく分類、約16万パターンにおよぶ邸別アドバイスが可能になりました。

サイト利用者へのアンケートを行ったところ、9割の人が節電・節約に積極的になったという回答があったとか。アドバイスにより、月に数千円単位の光熱費削減も珍しくないそうです。「衣類乾燥機の運転方法を最適化することで月5700円削減、エコキュート(給湯器)の運転モードの最適化で月4700円削減など、コンサルティングの成果がでています」。 ※HEMS(Home Energy Management System):IT技術の活用により、人に代わって家電製品などの最適運転を行ったり、エネルギー使用状況をリアルタイムで表示するなど、家庭におけるエネルギー管理を支援するシステムのこと

家族構成や建物の規模が類似している家と、自邸の消費電力量を比較できるページ。
メダル評価で「来月はもっと省エネしよう」というモチベーションにつながります。


消費電力の大きな空調システムや給湯設備の上手な使い方をアドバイス。


光熱費が最も安くなる蓄電池の使い方をレクチャーするページも(いずれも『スマートハイムFAN』サイトのページ見本)

東日本大震災以降、エネルギー政策は大きく変わり、自給自足型を目指すようになりました。国は、エネルギー収支ゼロの住宅“ZEH(ゼッチ)”を2020年をめどに新築住宅に標準化させることを目指し、積極的に推進中です。「長年、太陽光とつきあっている私からすると“こんな不安定なエネルギーが、よくもまあメジャーになったものだ”と感慨深いものがあります(笑)」。

「住宅会社は、省エネルギーな住宅を建てて終わりではなく、その後の住まい方までフォローすることが不可欠です。季節に応じた省エネのテクニックや、光熱費削減につながるHEMSデータの読み取り方などをアドバイスしていく必要があります。建物と住まい方の両輪があって初めて、エネルギーの自給自足が可能になるのです。住み手側も、何も考えずに電気を使うのではなく、エコや省エネを意識しながら暮らすのが当たり前の時代になりました。これから家を建てる方には、住宅=社会インフラであるという認識をもっていただきたいですね」。

塩さんが実際に入居宅を訪問し、HEMSデータの読み取り方や、
省エネの工夫のポイントなどをアドバイスする『出張コンサルティング』も行っているそうです

大容量ソーラーでつくった電気を電気自動車にためて、昼夜問わず、停電時でも
クリーンエネルギーが使える最新型スマートハウスも登場しています(『VtoHeim』)

(文責:イエノミカタ編集部)

参考サイト

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