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幸せな人生に寄り添う家をつくる

家づくりのプロフェッショナル~『企画職』

自社らしさとは?を常に考える仕事

ミサワホーム総合研究所 フューチャーセンター 市場企画室 室長の富田晃夫さん。子育て、家事、働き方などの切り口からの生活研究、新商品や新規ビジネスモデルの研究・開発、マーケティング支援など多岐にわたる業務を担っています。

「具体的な商品に落とし込む前段階の川上の部分、コンセプトワークがメインの仕事です。常に全体を俯瞰した視点で“ミサワホームらしさとは?”を考えるように心がけています」。

ミサワホーム総合研究所 フューチャーセンター 市場企画室 室長 富田晃夫さん
ホームOS推進プロジェクトに所属。生活者研究に基づき住まいやコミュニティの将来を見据えた企画・開発に携わる。
首都大学東京客員研究員も務める

「最近、若者世代の家に対する考えを知るために、大学生を対象にワークショップを行いました。世間では“若い世代が家を持ちたがらなくなった”と言われていますが、参加者に自分の将来像を描いてもらうと、幸せな暮らしには必ず家のシーンが出てくるんですね。“私は、こんな家に住んで、こんな風に楽しく暮らしている”と。家は、幸せな人生に欠かせない存在なんだと改めて感じました」。だからこそ、安心・安全といったスペックは当然のこととして、さらに幸せな暮らしを支えるためのデザインやソフトを提案していきたいと言います。

「“こういう家を建ててください”とできあがった形を提示するのではなく、お客様一人ひとりが考える幸せの形をサポートできるような家づくりが理想ですね」。その中で、ミサワホームらしさをいかに具現化していくかを常に考えているそうです。


自宅を実験の場として仮説を検証

富田さんが商品企画部に在籍中、企画・商品化したものに『ホームコモンズ設計』があります。『コモンズ』とは、人が集まる場所や集会所のこと。「大学や図書館で、共同作業をしたり、お互いに刺激しあいながら勉強に励む『ラーニングコモンズ』という空間が増えています。この考えを住まいに採り入れ、東京大学の山内祐平先生監修のもとにデザインしたのが『ホームコモンズ設計』です」。

『ホームコモンズ設計』では、乳児期・幼児期・児童期・青少年期という成長段階に合わせて、学びの空間をデザイン。従来の“子ども部屋に学習机”というスタイルを脱し、リビングやダイニングなどの共有空間を利用するのが特徴です。

(写真左から)STEP1 :プレイサイト(乳児期。リビングの一角、親の視界に入る場所に子どもが自由に遊べる空間を設ける)
STEP2:トークサイト(幼児期。キッチンと向かい合う場所に親子で対話できる場所を設ける)
STEP3:ホームワークコーナー(児童期:ダイニングの一角に机を置き、会話できる距離感を保ちつつ集中できる環境をつくる)
STEP4:ホームコモンズ(青少年期:子ども部屋とは別に、勉強や読書、仕事の場所を親子で共有。適度な距離を保ちつつ、さりげなく子どもの学びをサポート)

富田さんは、この『ホームコモンズ設計』のコンセプトを自宅に導入し、定点カメラを置いて理論通りの動線になるか実証することを発案。「妻には“また妙なことを言い出して…”という反応をされつつも同意を取り付け、会社には大学と連携してデータ解析を行うことを了承してもらい、わが家での実験が始まりました」。成長段階のSTEP2とSTEP3に(写真キャプション参照)にあたる、当時7歳の双子の長男・長女と、3歳の次男の行動を約1年半、観察・分析したそうです。

写真は富田さん宅。キッチン脇を小上がりにしてトークサイトをつくり、階段下にはホームワークコーナーを。
天井には全方位を撮影できる魚眼レンズのカメラが1台、冷蔵庫の上とキッチンには定点観測カメラが3台設置されています

その結果、「STEP2のトークサイトとSTEP3のホームワークコーナーに相当する場所に、子どもたちが集まることが実証されました。さらに、小上がりにしたことで、キッチンの手元がよく見え、興味をもって子どもがのぞき込むようになりました。そこで母親との会話が生まれたり、料理の手伝いをしたり。よく見えないとケンカになり、上の子が下の子に場所を譲るという社会性の芽生えもありました」。場のつくり方で人の動きが変わるだけでなく、視線の位置によってコミュニケーションが変わり「学び」が生まれてくるという気づきも得られたそうです。

また、生活習慣を身につけるという観点から、片付けやすいデザインにも注目。会社のデザインチームの協力で、ブロックのように積み上げられるクッションや、収納ボックスを作成して自宅に導入しました。「クッションで遊んだ後は、リビングの壁面に積み上げて片付けます。クッションは、形や色にバリエーションがあり、片付け自体がパズルのような遊びになるのもいいところ。収納ボックスは透明板の面をつくり、中に何が入っているか一目でわかるようにしました」。

クッションでお城をつくったり、跳び箱をしたりと思い思いに遊んだあとは、自分たちでお片付け。
収納ボックスは中身が見える透明板の面を手前にすると、お子さんたちは片付けやすいとのこと

これだけの規模の実証実験を大学などの研究機関と協力して行えるのも、ハウスメーカーという大きな器があるから、と富田さん。部署を横断してのプロジェクトも、社内にさまざまな人材がいるからこそ実現できると語ります。

「『住む人の幸せな暮らしをつくる』という原点を忘れずに仕事をしていきたい」と語る富田さん

「ハウスメーカーは、子どもや孫の代まで、長い目で考えた提案をします。これほどのロングスパンで考える業種も珍しいのではないでしょうか。我が社では、『4つの育む』という、家族、暮らし、日本の心、環境の視点で開発をするという方針があり、数十年単位の『家族を育む』視点だけでなく、数百年で考えるまちでの『暮らしを育む』という視点、さらに数千年の日本という文化の視点『日本の心を育む』、数億年という『環境を育む』地球環境の視点で考えなさいという方針があります。ただ、その原点は、やはり住む人の幸せな暮らしをつくること。専門家として住む人の幸せを考えながら、社会インフラとしての家を提案していきたいと思っています。これからも、新しい視点での企画や、さまざまな研究に基づいた提案を通して、多くの人を幸せにするような仕事をしていきたいと考えています」。

(文責:イエノミカタ編集部)

参考サイト

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