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想像力で、難易度の高い地盤・基礎に挑む

家づくりのプロフェッショナル~『設計職』

縁の下の力持ち。地盤と基礎のプロフェッショナル

SxL(ヤマダ・エスバイエルホーム) 設計技術統括部で、住宅の基礎・地盤設計、耐震診断や改修設計などに携わる石田健吾さん。大学は工学部で鉄筋コンクリート構造を学び、ゼネコンの技術研究所でキャリアを積み現在の仕事へ。基礎・地盤設計のプロフェッショナルとして難しい条件の物件を中心に、多い時は月に60件ほど手がけることもあるそうです。

「地盤は、理論と実際が必ずしも一致せず“手探り”の難しさがあります」と石田さん。「現地の地盤調査では問題のない数値が出ても、土地の来歴や国・地方自治体が公開する地盤情報などと照らし合わせると、どうもあやしいのでは?と判断し精査することも」。肝心要の部分だけに慎重になる一方、オーバースペックで多額の費用がかかるのは避けたいという思いもあり、悩むこともあるとか。

SxL(ヤマダ・エスバイエルホーム) 設計技術統括部 設計部 係長 石田健吾さん
「地盤や基礎は目立たない部分ですが、私も目立つのが苦手なので同じです。
本当は、このようなインタビューにも顔を出したくなかったのですが(笑)」。
黙々と設計に集中できる今の仕事は性に合うので、ストレスはあまり感じないそう

いくら頑丈な建物をつくっても、地盤や基礎がしっかりしていなければ、傾いたり沈んだりしてしまいます。目に見えないところで建物を支える、まさに縁の下の力持ちであり、大切な部分。しかし、建ててしまえば、トラブルがない限りは意識にのぼることもありません。そのため“印象に残るいい仕事は何ですか”という問いには、「何事もなく、後々思い出すようなことも起こらなかった仕事です、という答えになりますね(笑)」。


“自分の城”を建てる土地の地盤は、しっかり調べよう

ところで、いい基礎とはどんな基礎なのでしょうか?「施工がしやすいシンプルな形状のもの。複雑な形は避けたいです。鉄筋は多く入れるほど丈夫になるわけではありません。多すぎるとコンクリートが均等に回りにくくなり、結果として強度が落ちてしまいます」。建物が複雑な形だと、それに応じて基礎も複雑になってしまうため、ときには設計担当の人にチェックバックすることもあるとか。

「こんな入り組んだ形、どうやって型枠組むの?って(笑)。不具合が出そうな形状は、図面の段階でわかります。設計力=想像力だと思うんですよ。こういう形にしたら、こうなるだろうとイメージできる力。間取りの設計も同じですよね。このような部屋の配置にしたら、こういう動線になるだろうとイメージする。想像力があるほど、いい設計ができるんだと思います」。

手書きの計算書をつくるため、常に持ち歩いている仕事道具、プロジェクトペーパーと関数電卓。
筆記用具を入れるペンケースの紐は「皮の端切れを買って、ほつれないように手縫いでとめました」

石田さんは日本史が好きで、通勤電車の中では歴史書をよく読むそう。「記紀神話の時代とか、平安時代の東北とか、少々マニアックな分野ですが(笑)。でも、地盤に関わる仕事をしていると、歴史学や考古学に近しい話になってくるんです。地盤の成り立ちをさかのぼると、昔この辺りは海だったことがわかったり、地質年代を調べていると、子どもの頃好きだった恐竜の話につながったり」。仕事と、プライベートで興味関心があることがむすびつき、知識が深まって相互の疑問が解決する瞬間に、面白さを感じるそうです。

地盤や基礎のプロとして、これから家を建てる人に向けてのアドバイスは。「大地震への備えはもちろん大切です。でも、土砂災害や水害はもっとひんぱんに起きています。土地を買うときは、台風や集中豪雨の被害に遭う可能性も調べておきましょう。戦国武将は戦いだけでなく、土木事業にも精通していました。名城といわれる城は、必ずよい地盤の上に建っています。マイホームが自分の城だとしたら、それを建てるべき土地をしっかり調べてから手に入れてほしいですね」。

(文責:イエノミカタ編集部)

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