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ハウスメーカーが教える、賢い「木の家」選び ③耐火性能

「木は燃えるもの。だから、木の家は火事に弱い」。残念ながら、そのようなイメージを抱いている人は少なくないようです。でも、現代の木の家はむしろ「火事に強い」といえます。その理由は「燃えてもなお強く、倒れない」「延焼を防ぐ」構造になっているから。今回は、木の家の耐火性能について詳しくみていきましょう。


「木は火に強い」その理由は「炭化」にあり

まずは「木が燃える」という現象について見ていきましょう。 木は、燃えると表面から徐々に炭化していきます。その速度は、1分間にわずか0.6ミリ程度。炭化層ができると熱が内部に伝わりにくくなり、さらに酸素の供給も断たれるため、なかなか燃え進まないのです。下の写真でも、表面は炭化して黒くなっていますが、木の芯はしっかり残っていることがわかります。実は、木は高熱にさらされても、燃えなければ耐力は変わらず、構造的な強さは変わらないのです。

30分間燃焼させた場合の梁の断面。表面に炭化層ができており、
中心部は燃えていないことがわかります。(写真/住友林業)

炭化していく部分を「燃えしろ」と呼びます。そして、万一の火災に備えて、柱や梁などの構造材を十分に太くする設計方法を「燃えしろ設計」と言います。たとえば、30分間火に耐える木の家にするためには、構造的に必要な強度の太さに、30分間で炭化する燃えしろをプラスした構造材を使おうという考えかたです。

ちなみに日本では、消防車を呼んでから放水が始まるまで15分以内というケースが約9割を占めます。この15分間、建物が構造として持ちこたえることができれば、その間に逃げ出すことができるわけです。

(イラスト/SxL(ヤマダ・エスバイエルホーム))

燃えてもなお、構造材の強度に余力があるようにする。これが、現代の木の家のつくりです。ハウスメーカーでは、十分な太さの構造材を使用して万一の場合も住む人の命を守り、建物へのダメージも最小限に抑えるようにしています。


もらい火にも屋内の延焼にも、強い構造をつくる

火災には、隣家からのもらい火と、屋内で起こる火災とがあります。一般的に、燃えさかる隣家から3メートル離れた外壁の表面温度は、約840℃にまでなると言われています。ハウスメーカーでは、防火構造の外壁や軒天、不燃の屋根材などで、もらい火対策を行っています。

そして、もらい火よりも多いのが、屋内で起こる火災です。屋内火災を最小限に食い止めるためには、天井や壁の内側全面に石こうボードを貼ります。石こうボードの中には結晶水が含まれており、炎が当たると約20分間水蒸気を放出します。このため、天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、自然発火する温度(約260℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができるのです。

火に強い外壁や屋根材、断熱材(ロックウール)、石こうボードなど、
二重三重の防火・耐火対策で万全を期します(イラスト/SxL(ヤマダ・エスバイエルホーム))

もう一つ、大切なのはファイヤーストップ構造にすることです。火は、空気の流れに沿って上へと燃え広がる性質をもつため、壁内部の隙間や天井裏が火の通り道となりやすく、延焼の原因となります。そこで、壁や天井の内部にファイヤーストップ材を入れ、内部空間を区切って火の進行を遅くします。壁内部や天井裏に、いくつもの防火区画をつくるイメージです。一つひとつの区画で火がくい止められ、延焼を抑えてくれます。なお、壁や天井裏に入れる断熱材も、不燃性や難燃性のものを用いることが大切です。

石こうボードを破って火が侵入しても、ファイヤーストップ構造で
延焼を防ぎます(イラスト上/三井ホーム イラスト下/住友林業)

木の家だけではなく、鉄骨住宅など他の工法でも、火災に対する対策が必要なことに変わりはありません。ハウスメーカーでは、建物の耐火性についてさまざまな実験を行い、性能を実証しています。モデルハウスを訪問したり、現場見学会などに参加した際には、火災を防ぐための工夫について聞いてみましょう。

ハウスメーカーが実施した実大建物火災実験。途中で自然鎮火しそうになり窓を壊して通風をよくしたほど、
延焼しにくいことが実証されました(1981年 協力:社団法人プレハブ建築協会・日本建築防災協会)(写真/ミサワホーム)


今回取材した各メーカーの耐火性能については、以下のリンク先に詳しく説明されていますので、ぜひご覧ください。

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