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「nLDK」はもう古い? 間取りを自由に発想しよう

家を建てる時は、まず「何LDKにする?」から始めるのが一般的。でも、最近はそのような画一的な発想にとどまらない、個性的な間取りが増えています。その背景には、ライフスタイルにこだわり、個性を大切にする家族の増加があるようです。“わが家らしさ”をカタチにするには、どのような発想で間取りを考えるとよいか、ハウスメーカーの商品企画担当の方々にお話を伺いました。

  • トヨタホーム 商品開発部 シンセ企画室 商品グループ長 吉田憲司さん
    一戸建て新商品の企画開発、モデル棟の建設やカタログ制作、CAD開発などに携わる

  • ミサワホーム 商品開発部 木質デザイン課 課長 仁木政揮さん
    一戸建て新商品のコンセプト構築、企画開発、モデル棟の建設などに携わる

ライフスタイルの変化によって、間取りも変わる

さっそくですが、下の間取り図をご覧ください。この家は「何LDK」の間取りに見えるでしょうか? 玄関脇には広めの収納スペースがありますし、リビングにはいわゆる和室ではなく畳コーナーが併設されています。2階には、オープンなスタディスペースがあり、夫婦の主寝室と子どものプレイルームは大きな一部屋となっています。ただし、ドアが2つ付いているところを見ると、将来は壁で仕切って2部屋に分けられそうですね。「何LDK」という言い方では括りきれないこのような間取りが、最近は増えてきています。

そもそも、住宅の間取りを「nLDK(例:2LDK、3LDKなど)」と言い始めたのはいつ頃からだったのでしょうか? 実は、戦後の住宅難解消をめざして開発された“住宅公団アパート”がその始まり。当時は「2DK(ダイニング・キッチンに個室2部屋)」が近代住宅の象徴的な間取りとされ、庶民の憧れでした。それまでは、いわゆる“茶の間”で食事をし、布団を敷いて寝るスタイルが主流。食事する部屋と寝る部屋が独立して、個室ができたのは画期的なことだったのです。

以降、LDK(リビング・ダイニング・キッチン)と個室の数(n)で「nLDK」という表記は、一戸建てやマンションの間取りを表す言い方として普及しました。たとえば、夫婦+子ども2人の家族の場合、主寝室1部屋と子ども部屋2部屋、さらに客間としての和室1部屋がある間取りなら、1+2+1=4LDKと表記されます。

そして近年、「nLDK」という表記では括りきれないような間取りが増えてきました。ミサワホームの仁木さんによれば「リビングで一緒にテレビを見るような時間の過ごし方が減り、家族がお互いの気配を感じながら別々のことをするスタイルに変わりつつあります。来客用の独立した和室も、近年はかしこまった来客を迎える機会が減り、ニーズがなくなっています」。逆に、子どもが小さい時期に遊びやお昼寝の場として、リビングに併設して畳コーナーをつくるケースが増えるなど、ライフスタイルの変化が間取りにも大きな影響を与えています。

また、トヨタホームの吉田さんは「住まいに関するさまざまな情報を、ウェブやSNSで簡単に得られる時代です。ステレオタイプを脱した魅力的な間取りを見て、そこからインスピレーションを得て上手に取り込む層が増えているのではないでしょうか」と語ります。

リビングやダイニング、個室など好きな場所で、スマートフォンやタブレットを見られるようになったことも、間取りの変化の要因になっているようです

家族や暮らしの変化に寄り添う、柔軟な間取り

ライフスタイルの変化と共に、間取りが変化していくのは必然の流れのようです。脱nLDKの次は、どのような形になっていくのでしょうか。

「これからの家は、むしろnLDKのままでいいのかもしれません」と吉田さん。n=個室の用途と数を限定せず、その時々で使い分けられる柔軟性を残しておく、という選択です。「昔は、子ども部屋といえば一人一部屋、6畳というのが定番でした。今は、子どもの成長に合わせて間取りを変えたり、別の使い方をすることが、珍しくなくなっています」。

下は可変性のある間取りの一例です。左は、まだ目が離せない乳幼児期の間取り。川の字になって親子一緒に寝ることができ、クローゼットや家事スペースからも目が届きやすい安心なつくりです。真ん中はきょうだいができてから。まだ個室に分けずに、一緒にさまざまな時間を過ごせるようになっています。右は、思春期を迎えて自立心が芽生える頃。壁とドアで個室として独立させる一方で、勉強スペースは共用としています。

乳幼児期
きょうだいができたら
思春期以降

可変性のある間取りは、家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できるのがポイント。子どもが独立して家を出たら、壁を外して広い夫婦の寝室をつくったり、それぞれの趣味のスペースをつくることもできます。なお、ライフステージに合わせて間取りを変えていく場合、フレキシブルに壁などを動かせる構造でなくてはなりません。あらかじめ先々の間取り変更をイメージし、それに対応できるつくりにしておくことも大切です。


「最近は、用途を限定しない空間を間取りに組み込むことが増えました」と仁木さん。たとえば、家の外部と内部の境をあいまいにした、半屋外スペース。家族のアウトドアリビング的な要素もありながら、昔の縁側のように近所の人とのコミュニケーションの場ともなります。

通りがかった近所の友人が、気軽に立ち寄れるようなオープンスペース。
nLDKという概念ではくくることのできない、新しい“場”です

「nLDKという考え方は、用途の決まった一つひとつの部屋を組み合わせてつくる、積み木的な発想。脱nLDKの間取りは、一軒の家という大きな容積の中で発想を広げる。そんな違いがあるように感じます」(仁木さん)。固定された用途にとらわれずマルチにつかえる空間や、ライフスタイルに柔軟に対応できる間取りが、今後の家づくりの主流となっていくのかもしれません。

サッシを開け放つことで、中庭と一体化する空間(ラウンジ)。
プライベートとパブリックを行き来する渡り廊下として、双方の間をつなぐ中間領域となるフレキシブルな空間です。

“その家族にとってのベストプラン”をつくるのが、注文住宅

「最近、家を建てる動機が“結婚”や“子供の成長”だけではなくなってきている」とお二人。生き方やライフスタイルの反映、具現化として“オンリーワンの家づくり”にこだわる層が増えていると感じているそうです。そのような発想で家を建てるなら、やはり今までのnLDKという枠に収まりきらないはず。「最大公約数的な商品が通用する時代ではなくなってきています」(吉田さん)。

建売住宅やマンションを買うのではなく、注文住宅を建てるのなら、自分たちにとってのベストプランを一緒に探してくれる会社を見つけたいもの。カタログや施工実例などをたくさん見て、イメージを広げ、要望を整理していくことも大切です。

「オンリーワンの家づくりのためには、どんな家にしたいかをきちんと聞き、要望を引き出してくれる会社に頼むことが重要ですね。こうしたい、ああしたいという希望を否定せずに聞いてくれるかどうかも、判断材料になると思います」(仁木さん)。「たとえば、ご家族の趣味の話からも設計者はヒントを得ています。また、自分たちのライフスタイルや考え方について話をするなど、積極的にコミュニケーションをとるといいですね」(吉田さん)。


わが家にとってのベストプランを実現するためには、設計者とイメージや要望を共有し合えることが大切。ハウスメーカーには数多くの施工実例という引き出しがありますから、アイデアも豊富です。今まで見たことのある間取りにあてはまらなくても、「こんな風に暮らしたい」「こんな空間をつくりたい」という夢があったら、まずは相談してみましょう。

ポイント!こんな見方をしてみよう

  • ・何LDKにするか?にこだわらない発想をしてみよう
  • ・家族構成やライフスタイルの変化に、柔軟に対応できる間取りを考えよう
  • ・さまざまな用途に使える“中間領域”をつくることを検討しよう
  • ・要望を上手に引き出してくれる依頼先を探そう
 

(文責:イエノミカタ編集部)

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