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「スマートハウス」で暮らしはどう変わる? (前編)

最近、CMなどでよく耳にする『スマートハウス』。スマートハウスに住むと、何がどう変わるの? 光熱費は節約できるの?どんな便利なことがあるの?これから家を建てるなら、ぜひ知っておきたい最新の『スマートハウス事情』を、住宅メーカーの専門家の皆さんに聞いてみました。

  • セキスイハイム 塩 将一さん
    長年、太陽光発電付住宅の開発・普及につとめ、膨大なユーザーの光熱費データを分析。太陽光発電のある暮らしを熟知したスペシャリスト

  • 大和ハウス工業 野口 豊樹さん
    商品開発部で長らくスマートハウスの設計・開発に携わる。現在は、少し未来のスマートハウスにどんな価値をどう提供するかを考える日々

  • トヨタホーム 世古 将己さん
    営業企画室で、お客様向けの『スマートハウス』に関するカタログなどのツール制作に携わる。自身も、スマートハウスに暮らしている

エネルギーの「見える化」で、意識が変わる!

今、どの部屋でどのくらい電気を使っているか。太陽光発電システムは、どのくらい電気をつくっているか。家の中のエネルギーの動きを一目で把握できるしくみ(HEMS:脚注参照)をもっているのが、スマートハウスの大きな特徴です。

自宅をスマートハウスで新築した、トヨタホームの世古さんは、家にいるときHEMSの画面をよく見ているそうです。「家庭内の電力使用状況は、青が“売電”赤が”買電”で表示されるのですが、晴れた昼間は、太陽光が発電しているので青色でどんどん売電しているのがわかります。よし、その調子だ!と嬉しくなりますよね(笑)」。
また、どの部屋の電気がついているかも画面でわかるので、電気のつけっ放しをしなくなったとか。「2階のトイレの電気がつけっ放し!とか。以前なら、2階に上がるまで気がつかないようなことも、HEMSのおかげで一目瞭然です」。その結果、以前に比べて省エネの意識が高まったと実感しているそうです。

“見える化”の効果を出すためには、ちゃんと“見てもらう”しくみを整えるのも大切、と語るのは大和ハウス工業の野口さん。「当社では、HEMSの画面をiPadで確認できるようにしました。どこにでも持ち運べて、お子様や年配の方にも使いやすいというメリットがあります」。
最初はひんぱんにチェックしていても、そのうち飽きて見なくなったら、宝の持ち腐れ。そうならないように“節電目標を設定してゲーム感覚で省エネ”などモチベーションを高める工夫も組み込まれています。テレビやスマートフォンと同じ感覚で、HEMSのチェックが日常となるしくみを、住宅メーカー各社は考えているのです。

※HEMS(Home Energy Management System:ホーム エネルギー マネジメント システム)
IT技術の活用により、人に代わって家電機器などの最適運転を行ったり、エネルギー使用状況をリアルタイムで表示するなど、家庭におけるエネルギー管理を支援するシステムのこと


「見える化」を通して、わが家なりの省エネ意識がつくられる

「HEMSで見える化することで、エネルギーの無駄使いの犯人探しが簡単にできるようになりました」とセキスイハイムの塩さん。「たとえば、電気の消し忘れは明らかな無駄使いです。でも、真夏の猛暑日にエアコンが一番電気を使っている…という状況は、単純に無駄使いとも言い切れないですよね。涼しく快適に過ごすことを優先するか。電気をできるだけ使わない方を選ぶか。家族で話し合ったり、考えたりする中で、わが家なりの省エネ意識ができ上がっていくのではないでしょうか」。
エネルギーの見える化、はあくまでもスマートハウスの大きなしくみの一つ。それをいかに活かすか、は住む人の意識次第だといえそうです。


意識的なアクションをうながす、さまざまな仕掛けづくり

スマートハウスに住めば、自動的にエコでおトクな暮らしができる…かと言えば、ある程度はそうかもしれません。でも、せっかく最新の技術が搭載された家に住むのですから、受け身の省エネではもったいないですね。そこで、スマートハウスのポテンシャルを最大限に生かして上手に住みこなすために、住宅メーカーがどんな工夫をしているのかを聞いてみました。

セキスイハイムのモニター調査の結果では、見える化のしくみがあるだけでも、消費電力量は平均10.6%削減できたそうです。さらにお客様の条件に合ったコンサルティングサービスを行ったところ、消費電力量は約10%、光熱費に換算して約20%の削減が可能になったとか。

「現在は、ウェブ上で毎月の消費電力量と目標電力使用量を比較して、成績表のように達成度をお知らせしたり、HEMSに表示されるデータの読み方をお伝えしたりしています。また、スマートハウス入居者へのインタビューを連載して、“こんな工夫があるのか。わが家ももっとがんばろう”と、やる気をアップしてもらうしくみも(笑)」(塩さん)。

「当社のHEMSモニターは、お風呂の給湯操作や玄関の施解錠の操作もできるようになっています。操作をする“ついでに”、生活の動作の中で自然とモニターを見る機会が増えますよね。その結果、省エネへの意識が高まることを狙ったしくみです」(世古さん)。

「省エネにつながるしくみとして、HEMSモニターに、季節に合わせた省エネの豆知識を表示しています。たとえば、エアコンに頼らずに自然通風するように“誘導”するメッセージなどですね」(野口さん)。

“達成感”があると人は動く。“ついでに”見るなら負担を感じない。そんな心理をうまく利用したバックアップのシステムを、住宅メーカー各社は考えているのですね。より省エネにつながるアクションを“うながす”しくみまで用意されているとは、驚きです。

後編では“省エネだけではない”、さらに進んだスマートハウスの最新事情に迫ります。

(文責:イエノミカタ編集部)

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