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空間をより素敵に見せる、設計の“技(わざ)”

同じ間取りであっても、空間をより素敵に見せる方法があります。それは、一見しただけでは気づかないような細やかな配慮だったり、色や素材づかいのちょっとした工夫であったり……。今回は、ハウスメーカーのプロフェッショナルに聞いた、とっておきの設計の“技”をいくつかご紹介しましょう。

  • 三井ホーム 商品開発部 竹田文聡さん
    営業担当、三井ホームデザイン研究所、設計担当の仕事を経て、現在は商品開発業務に携わる

  • ヤマダ・エスバイエルホーム 商品開発部 直海 修さん
    注文住宅の商品開発の仕事に長く携わり、現在も若手営業担当向けの商品開発をマネジメント

“ノイズ”をなくして、美しく見せる

『美は細部に宿る』という言葉があります。心地よい空間には、隅々までこまやかな配慮がなされているもの。一見して気づかなくても、細部まで手を抜いていないからこそ、感じられる美しさがあります。まさに、プロの腕の見せどころです。

「いわゆる“裏方”的な部分を極力隠すと、スッキリとした美しい空間になります」と、ヤマダ・エスバイエルホームの直海さん。たとえば【写真上】では、正面の大きなガラスを固定する“枠”ができるだけ目立たないように施工しています。シャープで潔い印象を与えると共に、ガラスを十字に区切るアクセントラインが一層際立ちます。さらに、石貼りの壁の連続感が強調され、内と外の空間が一体化しているように見えますね。


【写真左】では、階段を支える部材が、可能な限り見えないよう施工しています。スッキリと美しく、階段の浮遊感がより際立って見えます。また【写真右】のように、蝶番部分を隠したドアも開発されています。見た目がきれいなだけでなく、子どもの指はさみの防止になるというメリットも。

設計担当者は、間取りを考えるだけでなく、目立たない部分にも細心の配慮をして、美しい空間をつくりあげます。「気づいてもらえないかもしれませんが(笑)、タイルの目地をきれいに揃えることなども、設計者が気を遣う部分です。部材と部材の接合部がきちんと合わさり、きれいに仕上がっているかどうか。建築の分野では、そのような状態を“おさまりがいい”と言います。いかにきれいに“おさめるか”設計者は非常に気を配っているんですよ」と、三井ホームの竹田さん。

美しいデザインを形にするには、施工技術や工事監理のレベルも問われます。見た目にきれいなだけでなく、きちんと機能するようにつくりあげるには、ノウハウや数多くの施工経験が必要となります。また、手間がかかる工事にはその分コストもかかるため、予算との兼ね合いも相談しつつ進めることをお薦めします。



同じ面積でも“広々と”見せるしかけ

限られた敷地の中でも、できるだけ開放感のある空間をつくりたいもの。設計やインテリアの工夫で、実際以上の広さを演出する方法はあるのでしょうか。

「空間を広く見せたいときは、視線が抜ける工夫をします」(竹田さん)。【写真左】では、リビングの奥のダイニングキッチンがほどよく見え隠れしています。ダイニングキッチンへ通じる開口部は天井までの高さにして、奥の空間への広がりを。さらに、床を同じタイル素材にして、視覚的な連続感を。また、階段や吹抜けの落下防止には、透明感のあるガラスを用いています。「色や素材などの要素を減らすことで、広く見せるというテクニックもあります」。


【写真中】は、壁でなくスリットで空間を仕切った例。視線が抜けて広がりを感じるだけでなく、光や風も通る心地よい空間となります。【写真右】は、地窓、小窓、高窓などを効果的に配して、視線の抜けをつくっています。

「せっかく広々と見せた空間も、モノがあふれてしまっては台無しです。快適な空間を維持できるように、収納計画まできちんと提案してもらいましょう」と直海さん。暮らし始めてからのことまで視野に入れてデザインするのも、プロの設計担当の仕事なのです。



空間を演出する“照明計画”

照明は、空間の雰囲気を左右する大きな要素。近年、LED照明の価格が手ごろになり、形状やサイズのバリエーションも増えたことで、照明計画の幅が広がりました。そんな中で増えているのが、照明器具そのものではなく“光”で演出するという手法。見えない部分に光源を設置する“間接照明”を用いれば、壁や天井などを照らして空間を光で包みこむような演出ができます。

【写真左】は、飾り棚を照らす間接照明。棚の壁部分がふんわりと光ることで、ナチュラルな小物に合うやさしい雰囲気になっています。【写真右】は、スポットライト風の照明でモダンなイメージに。【写真下】は、天井や飾り棚に間接照明を埋め込んでいます。光源が直接入らないので、寝室にはぴったりですね。


「LED照明の光はまっすぐに進む性質があるため、まぶしさを感じやすいです。また、陰影が強くなり、周辺が暗く感じるという欠点がありますが、間接照明との相性はとてもいいと思います」(直海さん)。「光の進み方に特徴があるので、従来の白熱灯や蛍光灯と同じ感覚で設置すると、思ったような照明効果が得られないことがあります。施工実例の多いハウスメーカーであれば、ノウハウが蓄積されているので安心です」(竹田さん)。



ハウスメーカーには、数多くの施工実例という引き出しがあります。そこから学びとったノウハウが、設計を行う上での財産となっているのですね。また、プランの検討中にはデザインの格好よさに目が行きがちですが、現場では想定どおりに行かないことも。そのような場合でも、やはり豊富な施工経験が物を言います。

今回は、設計の“技”のほんの一部をご紹介しましたが、設計担当者はもっと数多くのアイデアやテクニックを持っています。「こんな空間をつくりたい」という夢があったら、積極的に相談してみましょう。


ポイント!こんな見方をしてみよう

  • ・細部まで気を抜かないことで、空間は美しく見える
  • ・同じ面積でも、広々と見せるテクニックがある
  • ・間接照明を上手に取り入れて、雰囲気づくり
 

(文責:イエノミカタ編集部)

「空間をより素敵に見せる」をもっと知るための参考サイト

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