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プロが教える「『相続税・贈与税』の最新情報」

2015年1月1日から、相続税・贈与税が改正になるというニュースを耳にしている人も多いでしょう。今、家づくりを考えている年代の方々にも、今回の改正内容はしっかり把握しておいていただきたいもの。税理士の先生にお聞きした、最新の情報をまとめました(※2014年9月時点)。


〔お話を伺った人〕田中卓也先生:田中卓也税理士事務所 代表 税理士・ファイナンシャルプランナー(CFP)・All About「税金」「確定申告」「年末調整」ガイド


1.都市部に持ち家のある人に影響 相続税の基礎控除額が、現行の6割に縮小

「相続税は、相続する財産から最初に一定の金額を差し引いた上で(基礎控除)、残りの金額に課税をして税額を決めます。今回の改正で、この基礎控除額が現行の6割となります(=現行の4割減)。つまり、差し引かれる金額が減るということは、課税される金額が増えるということ。今まで、基礎控除の範囲内で収まっていた(=相続税を払わなくて済んでいた)ケースでも、今後は相続税が発生する可能性が増えました。特に、地価の高い都市部に持ち家があるケースが、その可能性大です」(田中さん・以下同)。


相続財産には、現金、預貯金、有価証券などのほか、土地、建物など不動産も含まれます。“わが家は大した貯蓄もないし、大丈夫”と考えていた層でも、都市部に家がある場合は相続税が発生するかもしれないのですね。また、現行の制度ですでに相続税が発生する層は、2015年以降はさらにその税額が増えてしまうわけですね。


「また、相続税の最高税率は50%から55%に引き上げに。遺産総額が2億円超~3億円以下や、6億円超の富裕層の相続税率が5%の増税となります」。


2.親の土地を別居の子が相続する場合は要注意 相続する土地の減額枠が広がる『小規模宅地等の特例』

「1.で説明した内容は増税につながるものでしたが、『小規模宅地等の評価減の特例』は、減税につながります。故人の持ち家が建つ土地の財産価格を、ある一定の面積まで8割減額できる制度です」。


「例として、夫婦で一戸建てに住み、夫が死亡した場合、妻がその家に住み続けるなら、土地の評価が8割減になるということ。『相続税が払えず、自宅を売却することに…』という悲劇を起こさないための制度なのですね」。

では、すでに夫が亡くなり妻が一人で住んでいた場合、この妻が亡くなっても、遺された子どもたちはこの特例を利用できるのでしょうか?

「土地を相続する子どもが3年以内に持ち家に住んでいないなどの要件を満たせば実家で同居していなくても特例を受けられます。一方で、自分や配偶者所有の持ち家に住んでいる子どもは、この特例を受けられません」。

実家に同居しておらず、自分の住む家をすでに持っている子には、特例は適用にならないということですね。

ここで今注目されているのが二世帯住宅。親の土地に二世帯住宅を建てて同居すれば、この特例が使えます。さらに、2015年以降は、家の内部で親世帯と子世帯が行き来できない“完全分離型”の二世帯住宅でも“同居”とみなされ、特例が使えます。独立性の高い間取りなら、まだまだ元気な親世帯と、自分たちのペースで暮らしたい子世帯が、ストレスなく仲良く暮らせますね。


また、親の土地に賃貸併用住宅を建て、その後相続すれば、賃貸部分に対応する土地は『貸家建付地の評価』となり評価額が約80%に。さらに200㎡まで減額割合50%の『小規模宅地等の評価減』が適用されます。賃貸部分に対応する建物は『貸家の評価』となり、30%減額となります。(借家権割合が30%とした場合)。このため、賃貸併用住宅も相続税対策として有効です。


3.家づくりを考えているなら必読 マイホーム取得に活用したい『贈与税』の最新情報

①『住宅取得等資金の贈与』は2014年末まで。延長は未定
2012年1月から始まった「住宅取得等資金の贈与」。祖父母・父母が子・孫・ひ孫のマイホーム購入費用やリフォーム費用を贈与した場合、そのうちの500万円(省エネ住宅なら1000万円)を限度に、贈与税が非課税になる制度。「2014年12月末で終了予定で、2015年3月15日までに実際にマイホーム購入やリフォーム工事を行う必要があります。制度が延長になるかどうかは、未定です(国土交通省は3000万円に枠を拡大して継続するよう要望中)」。

②『暦年贈与』は、2015年から直系尊属への税率優遇措置が導入
『暦年贈与』とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受け、その合計額が110万円以下なら贈与税の申告が不要になる制度。2015年からは、特例として“20歳以上の子や孫が、親や祖父母など直系尊属から贈与を受けた場合”税率が引き下げられることになりました。「暦年贈与で気をつけたいのが“名ばかり贈与”。親や祖父母が、本人の知らないところで子や孫名義の口座をつくり、毎年110万円ずつ貯金しているような場合です。贈与された本人が贈与の事実を知り、自由に使える状態でなければ贈与と見なされません。“贈与契約書”をつくっておくことも大事です」。

③『相続時精算課税制度』で住宅ローン負担を減らす方法も
「『相続時精算課税制度』とは、2500万円までの贈与はその時点では非課税とし、将来相続が発生した場合に相続税として支払うという贈与制度です。いったんこの制度を選ぶと、暦年課税制度には戻れません」。いわば財産の先渡しともいえるこの制度。贈与した財産は、相続発生時に再び相続財産としてカウントされるため、節税効果は薄いといえます。ただ、子や孫に現金を贈与することで、住宅ローンの負担を減らせるというメリットがあるといえるでしょう。



“一生で一番大きな買い物”と言われるマイホーム。優遇制度などはできるだけ活用して、かしこく建てたいものです。なお、税制は特例や諸条件なども多いため、実際に制度を利用する場合は専門家に確認を。家づくりの相談をする際に、ハウスメーカーの担当者に相談するのもオススメです。

(文責:イエノミカタ編集部)

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