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家庭内事故を防ぐ!安全な家のつくりかた

家族の団欒やくつろぎの場所である「家」。でも、家の中での大きなケガや命にかかわる事故が、意外と多いことをご存知でしたか? 特に、小さい子どもやお年寄りは要注意。家を建てるときには、事故を防ぐ観点からあらかじめ配慮をしておくことが大切です。ハウスメーカーは、家庭内事故を防ぐためにどのような工夫をしているのか、担当の方にお話を伺いました。



  • 大和ハウス工業 住宅事業推進部 営業統括部 佐藤 文さん
    設計業務を経て、現部署へ。子育て住宅の商品開発などに携わる。二級建築士、インテリアコーディネーター

  • トヨタホーム 商品開発部 今野亜希子さん
    入社以来、少子高齢対応住宅・TASP(TOYOTAHOME Active Senior Project)の企画に携わる。理学療法士、健康住宅アドバイザー

交通事故よりも多い!「家庭内事故」による死亡者数

厚生労働省『不慮の事故死亡統計』(平成21年度)によれば、平成20年に交通事故で亡くなった方の数は7,499人。一方、家庭内における不慮の事故で亡くなった方は13,240人。家の中での事故死は、交通事故死よりも多いというショッキングなデータです。内訳としては、溺死、窒息、転倒・転落が多くを占め、家の中での普段の生活の中に大きな危険が潜んでいることがわかります。

身体能力が低下するお年寄りは、特に注意が必要です。独立行政法人 国民生活センターによれば、高齢者の家庭内事故では、階段、床、ベッド、浴室での怪我が多いというデータがあるそうです。一方、危険を判断できない幼い子どもを持つ親御さんも、家の中でドキッ、ヒヤリとした経験があるはずです。自宅での不幸な事故をなくすために、どのような配慮が必要なのか、住まいづくりのプロにさっそく聞いてみましょう。


家の中の危険な場所と、その対策について知ろう

♦︎階段
「階段は、下るときの事故が圧倒的に多いです。勾配がきついほど、危険性も高くなります」とトヨタホームの今野さん。通常の階段は、成人男性の体格を基準につくられているそう。子どもや女性、お年寄りにとっては負担になりますね。「たとえば、小学校の階段は勾配が緩やかですね。これは、児童の体格と身体機能を考慮して基準が定められているからです(イラスト参照)。住宅の階段も、勾配を緩やかにすることで、事故を防ぎ身体への負担も少なくできると考えています」。赤ちゃんを抱きながらの上り下りも、緩やかな勾配のほうが安心ですね。

勾配を緩やかにした階段

「階段のスタイルもポイントです。直線階段はまっすぐに上り下りするため、万一転倒した場合に階下まで一気に落ちてしまう危険性が。中間に踊り場がある、折り返し階段のほうが安全です」と大和ハウス工業の佐藤さん。「手すりをつけ、夜間に階段の段を認識しやすくするための照明をつけることで、安全性が高まります」。照明は、目がくらまないように明るすぎないものを選びましょう。


♦︎浴室
濡れた床や泡などで滑りやすい。浴槽をまたぐときにバランスを崩しやすいなど、危険が多い場所。「設計面で事故を防ぐ方法として、手すりの設置があります。浴室内の移動、浴槽への出入りは、手すりやベンチを利用することをおすすめします」(今野さん)。現在発売されている多くのシステムバスには、浴槽内にも持ち手がついていて、湯船の中で滑った時につかまれるようになっています。床も、水はけのいい商品が数多く出ていますので、安全面での改善は進んでいると言えます。 「温度差による心臓への負担も心配です。解決策としては、浴室暖房をビルトインすることをおすすめします。また、洗面・脱衣室の床にヒーターなどを置くと、コードにつまづき却って危険です」(佐藤さん)。急激な温度差は、特にお年寄りの身体には負担に。家全体の温度差が極力少なくなるように、建物の断熱性・気密性や空調設計にも配慮することが必要です。

ベンチタイプのカウンター付きのシステムバス。
握りやすいサポートバーで、立ち座りを助けて浴槽への移動がラクに行える工夫が(TOTO「サザナ」)

♦︎キッチン
子どもが小さいうちは、コンロや包丁などの危ないものに近づかない配慮が大切です。「キッチンの入口にチャイルドゲートを設けるのも一つの方法です。チャイルドロック機能つきのコンロやキッチン収納を採用するのもいいですね」(佐藤さん)。


♦︎ドア・窓
「ドアは、子どもの事故が多い場所。たとえば、開き戸の場合、足の指をドアの下のすきまに挟んでしまうことがあるのです」(佐藤さん)。小さな子どもの場合、ドアノブを握った時のドアと足元の距離が、大人の半分程度(イラスト参照)。ドアを手前に引くと、すぐに足が挟まりやすい距離にあります。また「ドアの吊り元に指をはさむ事故も多いですね」。吊り元とは、ドアの蝶番側の部分。ドアを開くと枠とドアの間にすきまができるため、指を差し入れて挟まれ、大ケガをすることが。事故防止のためには、カバーをつける、すきまを極力なくした仕様にするなどの工夫があります。

吊り元(写真上)とドア足元(写真下)にカバーをつけて安全対策を

窓も、子どもの転落事故が多い場所です。窓の下に家具などをおくと、登って窓から身を乗り出し、落下する危険があります。ベランダも同様に気をつけましょう。


♦︎
家づくりにバリアフリーの考え方が普及し、家の中の段差はほぼ解消されていますが「カーペットやラグマットでつまづいたり、滑ったりする事故が起きています」(今野さん)。転倒しやすいお年寄りがいる家庭では、床にモノを敷くのは避けた方がいいようです。また「玄関の上り框(かまち)は、段差ができやすい場所です。手すりを設置する、照明の工夫で段差を認識しやすくするなどの配慮が必要ですね」(佐藤さん)。

必ず段差になってしまう玄関には、手すりや照明を。
また、玄関には可動式のベンチを設置しておくと、靴の脱ぎ履きのときにふらつく心配がなく、しまえば邪魔になりません

♦︎ コンセント
カウンターでアイロンがけ中に、子どもがコードに足をひっかけてアイロンが落下…などという事故の例も。コンセントをカウンター上に設けることで、このような危険は防げます。また、磁石式のコンセントも発売されています。足をひっかけても、すぐに外れるので安心です。


安全性だけでなく、健康維持という観点も

家の中の危険をなくすための、さまざまな配慮はもちろん大切。ただ、お年寄りが身体機能を維持するためには、日常生活で適度な運動も必要です。「2階に趣味の部屋や家族のコミュニケーションスペースなどを設け、毎日楽しく階段を上り下りするようなプラン上の工夫をするのもいいですね。自然と身体の機能を維持し続けることにつながります」(今野さん)。「安全に気をつけることと、楽をし過ぎることは違います。一歩家の外に出れば、段差も危険な場所もたくさんあります。身体を甘やかさないように、家の中でも意識的に身体を動かす機会をつくることが大事ですね」(佐藤さん)。バリアフリーも“過ぎたるは及ばざるがごとし”ということでしょうか。健康維持という観点からも、プランニングを考える必要がありそうです。



最後に、お二人からのアドバイスを。「若いうちは、自分が年を取ったときのことは想像できませんよね。でも、建物の寿命も人間の寿命も長くなっています。今から建てる家は、お子さんやお孫さんの代まで住める家です。年を取ってから住みづらくならないように、安全やライフステージに合わせた可変性に、あらかじめ配慮した住まいを検討していただきたいと思います」(今野さん)。「ハウスメーカーは、高齢者や子育て世代だけでなく、誰もが使いやすいようにさまざまな検証を重ねて商品開発をしています。専門的研究部門をもっているのが、ハウスメーカーの強みです。ぜひ、安心して家づくりの相談をしていただきたいですね」(佐藤さん)。


ポイント!こんな見方をしてみよう

  • ・家庭内の事故は意外と多い。特に小さな子どもとお年寄りは要注意
  • ・家の中の危険な場所を知り、事故防止のための対策を行う
  • ・将来のことまで考えて家づくり。ハウスメーカーは頼れる相談相手
 

(文責:イエノミカタ編集部)

安全に暮らせる家のつくりかたをもっと知るための参考サイト

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