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「断熱」「気密」「空調・換気」で健康的に暮らす家

家を建てる時には誰もが、理想の間取りや外観、耐震性などについて真剣に考えます。でも“健康的に暮らせる家か”ということには、なかなか考えが及ばないのではないでしょうか。たとえば、希望通りの間取りでも、夏は暑くて冬は寒い家だったら、くつろぎのマイホームには程遠いはず。いつも心地よい温度で、爽やかな空気に満たされている家なら、体調も気持ちも安定します。四季のある日本では、家の中の温度をきちんとコントロールすることが重要です。また、家の中の空気を常にキレイな状態にしておくことも、健康的な暮らしには不可欠な要素。家づくりの際に気をつけるべき点について、ハウスメーカーの皆さんにお話を伺いました。

  • 住友林業 商品開発部 中野邦彦さん
    設計、販売促進の仕事を経て、現在は住宅商品の立案や企画を行う業務に従事

  • セキスイハイム 商品企画部 林 哲也さん
    研究所勤務を経て商品企画へ。研究者と企画職の間のパイプ的な役割を果たす

  • トヨタホーム 営業統括部 泉 孝治さん
    お客様向けのカタログや、営業スタッフ向けのツールの制作など、販促業務に従事

実は身体に負担が大きい「温度差」

食事やだんらん、勉強、睡眠など、人は長い時間を家の中で過ごします。だからこそ、快適で清潔で過ごしやすい場所であってほしいもの。最近、国も「健康維持増進住宅」という考え方を発表し、健康に暮らせる住まいづくりを推進しています。子どもや働き盛りの大人から高齢者まで、誰もが健やかに過ごせる家づくりが、これからのスタンダードだといえるでしょう。

「“健康”と“家の性能”には密接な関係があるのですが、そのような認識は一般にはまだ浸透していないようです」と住友林業の中野さん。「実は、温度差というのは、身体には大きなストレスとなります。断熱性能や気密性能が低い家だと、冬、暖房のついている部屋とそうでない場所との温度差が大きく、血圧の急激な変化を引き起こします」。よく言われる“ヒートショック”の状態で、命の危険に及ぶ場合もあります。トヨタホームの泉さんによれば「寒い脱衣所から暖かい浴室に入り、湯船につかって血圧が急に下がり、意識を失って溺れる事故が多いです」とのこと。また「部屋間の温度差だけでなく、室内の上下の温度差も身体の負担になります」と、セキスイハイムの林さん。頭と足元の温度差が大きいと、足元の冷えなどから体調不良につながる恐れもあります。

家の中の温度差をなくし、夏も冬もちょうどいい室温を保つことは、健康に過ごすための必要条件。それを実現するのが『高断熱・高気密』の住宅です。断熱性・気密性が高ければ、外気温の影響を受けにくく、冷暖房効率も上がります。また、適切な換気計画を行うことで、家の中の温度ムラをなくすことができます。外が暑くても寒くても、家の中が心地いい温度に保たれていれば、体調が安定しやすく、活動的な生活ができます。

憧れの吹抜け。でも、夏暑く冬寒くて大変…という状況にならないためにも、高い断熱性・気密性、適切な空調は必須です

家全体の空調・換気をコントロールする「全館空調システム」なら、建物の中の温度ムラを軽減できます

『断熱』とは、外気と接する部分(窓、外壁、屋根など)から家の中に、夏の暑さや冬の寒さが入り込まないようにすること。また『気密』とは、家の中に隙間風が入ってこないようにすることです。『高断熱・高気密』の住宅では、窓には複層ガラス入りで断熱性能の高いサッシを使う、外壁や屋根裏には性能の高い断熱材を施す、すき間から外気が入らないよう微細なすき間もきっちりと埋める、などの措置が取られています。


家の中の「空気の質」に注意!

以前の家は建物の隙間から自然に外気が出入りしていたので、住宅建材(合板や内装材、内部建具)などから出る有害物質もあまり問題になりませんでした。しかし、建物の気密化が進むことで家の中に有害物質が溜まり、“シックハウス症候群”などの問題が表面化。これを受けて2003年に建築基準法が改正され、建材などに使用されるホルムアルデヒドなどの化学物質が規制の対象になりました。かつては“新築の家の匂い”と言われていた化学物質の匂いも、今の住宅にはありません。ただ、家の中で発生する有害物質はほかにもあります。それが、アレルギーの原因にもなるホコリ、ダニ、カビなどです。また、家の外から入ってくる有害物質として、排気ガス、花粉、黄砂やPM2.5などの問題もあります。

住友林業の中野さんは「国内で生産されている建材はほぼ心配ありませんが、海外から輸入した家具などには有害物質が含まれる可能性があり、購入の際は注意が必要です」とアドバイス。また「小さなお子さまがいる家庭では、ホコリやダニによるアレルギーに特に注意してください。床にたまったホコリやダニの死骸は、ちょうどお子さまの顔のあたり、50センチから1メートルあたりに舞い上がって密集することがわかっています」とトヨタホームの泉さん。全館空調システムは、エアコンと違い風が穏やかでホコリが舞いにくいので、おすすめとのことです。 また、外からの有害物質をふせぐためには、高性能なフィルターをつけた給気口から外気を取り込むシステムが有効。「そのような設備をつけた家に住んでいる方からは、花粉症が改善した※、家の中の空気が清々しいという声が聞かれますね」とセキスイハイムの林さん。※個人の感想であり効果を約束するものではありません

ダニやカビの原因の一つ、湿気への対策も必要です。各メーカーでは、調湿機能のある内装材や除湿機能のある換気システムなどを提案しています。また、エアコンの除湿機能も有効です。

木には高い調湿効果があるので、内装に無垢材を使用するのも効果的です

建物の「断熱」「気密」「空調・換気」を要チェック

一年を通して心地よい温度に保たれ、爽やかな空気に包まれた健康的な暮らし。その実現のためには、建物の『断熱性能』『気密性能』『空調・換気計画』が不可欠ということがお分かりいただけたでしょうか。各ハウスメーカーでは、それらの最適な組み合わせを実験などで実証し、商品化しています。 また、建物や設備の性能はもちろん重要ですが、プランを含めてライフスタイルに合った提案であることも大切。スペックだけにとらわれず、どんな暮らし方を提案してくれるのか、トータルな目線で判断することも忘れないようにしましょう。

間取りやインテリアはもちろん、快適な暮らしのために欠かせない“心地よい室内環境”。依頼先を選ぶ際には、「健康な暮らしのために、どんな配慮がなされていますか?」と聞いてみましょう。


ポイント!こんな見方をしてみよう

  • ・“住む人の健康”と“家の性能”には密接な関係がある
  • ・室内の温度差は、身体に大きな負担。高い断熱・気密性で防げる
  • ・高気密・高断熱住宅には、適切な空調・換気システムが不可欠
 

(文責:イエノミカタ編集部)

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