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子どもがのびのび成長する家づくりのヒント(後編)

親子のコミュニケーションを豊かにする間取り

「以前の日本の家は、玄関を入るとすぐに階段があり、2階の子ども部屋に直行できる間取りでした。今は、リビングを経由して2階に行く間取りが増えています」と、ミサワホームの大内さん。子どもの様子がよくわかる、親子の会話が自然に増えるなどの理由で、施主側からこのような間取りを希望するケースも少なくないとか。「玄関ホールとリビングがダイレクトにつながっているので、リビングで必ず顔を合わせるようになります。子どもの友だちが遊びに来たときも“どんな子かな?”と様子がわかって安心です」。

ただし、リビングの中に階段があると、料理の匂いやTVの音が2階に流れてしまう、暖房で温めた空気が2階に上がってしまうというデメリットも。これらは、階段の入口に扉を設ける、全館空調で家全体の温度差をなくすといった工夫で対応できます。

セキスイハイムの加藤さんは「コミュニケーションは、視線・声が届くことが大切です。そのような観点から、家一軒がワンルームのようにできるだけ少ない仕切りでプランニングされていることが望ましいですね。もし、空間を家具で仕切る場合は、高さは120cmくらいまでのものをおすすめします」とアドバイス。子どもにとって、親の姿が見えるということは安心感につながります。ロータイプの家具で仕切れば、リビングからキッチンにいるママの姿が見えます。また、家具の上に子どもの工作などを飾ってあげることもできますね。

「親子のコミュニケーションをより豊かにするために、壁の一面をホワイトボードにするというアイデアをご提案しています」と、大和ハウス工業の新保さん。「家族が行き交う動線上に、マグネットが貼れるホワイトボードを設けて、子どもの絵を飾ったり落書きして遊んだり。“冷蔵庫におやつがあるよ”“〇〇ちゃんの家に行きます”など、伝言メモを残す場所にしてもいいですね」。学校のプリントを貼っておくなど、家族の掲示板としても活用できます。


ミサワホームの大内さんからは、クロゼットをミュニケーションの場とするアイデアも。「2つの子ども部屋の間に、家族共用のクロゼットを設けてはいかがでしょう。自宅にもこのアイデアを採用しているのですが、娘がパパのネクタイを選んだりと、自然に親子のコミュニケーションが生まれています。同性のきょうだいなら、服の貸し借りもしやすいですし、親も子どもの服や持ち物を把握できますから、思春期を迎えたとき“ちょっと派手な服が増えたかな?”などと、様子を知るにも役立つと思いますよ」。



親子のコミュニケーションをスムーズにするためには、お互いの気配や様子がわかり、自然に会話が増えるようなプランニングがポイントといえそうです。


勉強に集中できる、好奇心が高まるしかけ

最近は、子ども部屋ではなく、リビングダイニングで勉強するスタイルが注目されています。「小学生くらいまでは、子ども部屋よりリビングダイニングで宿題をしたり、本を読んだりすることが多いもの。子どもが親の気配を感じつつ、勉強に集中できるようなしかけを考えました」と、セキスイハイムの加藤さん。「ダイニングの横にカウンターを設け、ママに見守られながら安心して学習ができるようなプランを提案しています」。勉強に集中したいときは机に向かい、わからないことがあったら振り向いて聞くことができる。適度に見守られている環境の中で、子どもは落ち着いて勉強に集中できるというわけです。

ミサワホームの大内さんは、家族全員で使えるファミリーライブラリーを提案。「宿題だけでなく、パソコンで調べものをしたり、仕事や家事をする場所としても使えるように、広めのカウンターを設置。親子が場所を共有することで、お互いの世界を知るきっかけにもなります」。最近は、暗記よりも自分で何かを調べてまとめる学習が増えています。このようなライブラリーがあれば、パソコンや百科事典を広げて調べものをしながら、親子で知的好奇心を伸ばしていくことができますね。



「子どもは成長にしたがって、徐々に独立していきます。いずれは個室で勉強したり、一人で寝るようになるでしょう。そんな子どもの成長に合わせて、可変性という観点を取り入れることをおすすめしています」と大和ハウス工業の新保さん。「当社の調査によれば、小学校に入りたてはまだ親と一緒に寝ているケースが多いですが、10歳以上になると1人で寝る子どもの方が多くなります。小さいうちは個室を与えずに広めの部屋で親子同寝、小学生になったら緩やかに仕切られた子ども専用のスペースをつくり、思春期を迎えた頃には独立した個室を用意してあげる。そのようなフレキシブルな対応ができるよう、可動式の収納を使って少しずつ部屋を仕切っていくことも有効です」。



「子育てにも家づくりにも“これが正解”はありません。子どもの成長と共に、住まい方も変化していくものと考えて、フレキシブルな要素を残しておきましょう」とは、今回取材した住宅メーカーの皆さんに共通する意見でした。子育てという観点からの家づくりは大切ですが、子どもが巣立った後のことも含めて、長い目で考える必要があります。先々のこともきちんと見据えてプランニングできる、ノウハウをもった会社に依頼したいものですね。


ポイント!こんな見方をしてみよう

  • ・生活習慣が自然に身につくしかけをプランに取り入れよう
  • ・間取り次第で、親子のコミュニケーションはもっとスムーズになる
  • ・勉強に集中しやすく、知的好奇心が高まるプランを工夫しよう
  • ・子どもの成長に対応できるよう、フレキシブルな要素を残しておく
 

(文責:イエノミカタ編集部)

『子どもがのびのび成長する家』をもっと知るための参考サイト

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