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光と風と緑を味方にする家(後編)

外からの風を上手に取り込み、家の中の空気の流れをつくる

住まいの高気密・高断熱化で空調の性能も向上していますが、春や秋には心地よい自然の風を愉しみたいですね。また、家の中をうまく空気が流れることで、たとえば夏の暑い空気を自然に外に逃がすこともできます。

「外からの風を上手に建物内に取り入れるためには、敷地を観察することが大切です」と旭化成ホームズの藤田さん。建て替えの場合は、施主が長年住んでいる土地なので、“夏は風が通りにくい”などの状況を把握している場合が多いとか。一方、土地を購入して新築する場合は、住宅メーカーの担当者に敷地をじっくり見てもらうことが大事です。また、「住宅密集地でも、家と家との間には必ず風が通ります。周辺環境を考慮しながら、建物の配置を考えるという視点が大事です」とヤマダ・エスバイエルホームの佐藤さん。「地域によって、風の向きも違います。東京なら夏は南風、冬は北風が吹きますが、別の土地に行くとまた異なる風の吹き方になるんです」と三井ホームの内田さん。その土地ごとの“風の性格”を知ることが必要になります。

風を上手に取り込むには、窓の形や配置を工夫することが大事。たとえば上の写真のような、縦に細長く上下が別々の方向に開く窓は、効率的に風を取り込めます。人が侵入できない狭い幅なので、防犯面でも安心です。

また、家の中に空気の流れをつくり自然な換気を促すには、上下の空気の動きをつくるのがポイントです。たとえば、北側の屋根にトップライトを設けるのは有効。暖かい空気は上に行くので、上部に小さくてもいいので出口となる窓を設けましょう。空気の流れをつくるためには“入り口だけでなく、出口もつくる”ことが大事です。また、室内ドアの上に欄間を設けたり、間仕切りに格子などを使うのもいいですね。スキップフロアなど、床面に高低差があるプランも、自然な風の流れをつくることができます。


メンテナンスを考慮しつつ、緑をプランに生かす

目に優しいだけでなく、夏の日差しや冬の寒風もさえぎってくれる緑。効果的な緑の取り入れ方も知っておきましょう。

「樹木は、葉の蒸散作用によって周りの熱を奪い、涼しい空気を生み出してくれます。建物の南側に木陰となるような樹木を植えたり、庭に芝生を植えると暑さ対策に有効です」と三井ホームの内田さん。芝生の手入れが大変な場合は、保水ブロックなどで代替することもできるそう。また、建物北側の常緑樹は、冬の北風をさえぎる役目を果たしてくれます。

「南側に庭をつくり、落葉樹を植えて夏は日差しをさえぎり、冬は落葉して日だまりをつくる。日本に昔からあるこのプランは、とても理にかなっているんですね。また、四季折々に表情を変える木々を見て、季節の移り変わりを感じることもできます」とヤマダ・エスバイエルホームの佐藤さん。ただし、日差しをさえぎるためには、ある程度大きな木であることが必要。その分、落ち葉の始末などが大変になるという側面もあります。

「植物はメンテナンスに手間がかかるもの。理想的な植栽計画を行っても、維持できなければ無駄になってしまいます。手入れにどのくらい時間を割けるか? そもそも緑の世話は好きか? 虫は苦手か? 設計者とざっくばらんに話をして、現実的なプランをたてることが大事です」と旭化成ホームズの藤田さん。「たとえば、夏の間だけ緑のカーテンをつくるなど、住み手が負担に感じない、楽しんで世話をできる形にするのも一つの手です」。緑は、快適さをもたらすだけでなく、心理的にも潤いを与えてくれる大切な存在。だからこそ、無理なく維持していける“緑の計画”を建てることが大事だといえます。


光と風と緑。いずれも上手に取り込むためには、敷地の状況や周辺環境、地域の特性などをしっかり把握することが大切。プランを考える前には、依頼先候補の住宅メーカーの担当者に現地に同行してもらい、自分の土地を見てもらうことをおすすめします、

こんなミカタをしてみよう

  • ・周りの環境をよく見て、光や風を効果的に取り入れる
  • ・窓からの熱の出入りを考慮する
  • ・家の中の空気の流れを上手につくる
  • ・緑を効果的に配置する。ただし手入れのことも考えて
 

(文責:イエノミカタ編集部)

『光と風と緑を味方にする家』をもっと知るための参考サイト

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