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地震に負けない!強い家のつくりかた (後編)

耐震に加え、さらなる地震対策として注目されているのが“制震”です。制震とは、地震のエネルギーを吸収し、揺れを制御するしくみ。その結果、建物の変形を防いだり、損傷を小さくしてくれます。耐震は揺れに対して“ふんばって耐える”、一方、制震は“いなす”“逃がす”というイメージです。

制震住宅のイメージ図


「自動車のショックアブソーバーをヒントに、オイルを使った制震装置で地震の揺れを吸収するしくみをつくりました」(トヨタホーム 泉さん)。「変形することで地震エネルギーを吸収する、粘弾性体という素材を組み込んだ制震パネルを採用しています」(大和ハウス工業 山下さん)。制震装置の素材や形状はメーカーにより異なりますが、壁内に組み込み、2階建ての場合は1階に数か所設置することが多いようです。建物の大きさにもよりますが、費用は平均50万円くらいが目安です。

また「当社の場合、木質パネルが面で支えるため構造自体が変形しにくく、制震装置が効果を発揮するほどの変形が起こりません。また、接合部に力がかかった際、木の特性としてうまく“こすれて”制震的な効果を発揮してくれます。そのため、あえて積極的にはお薦めしていないのが現状です」(ヤマダ・エスバイエルホーム 藤本さん)という話もあります。建物のつくりによって制震装置の要不要は異なり、必ず設置した方がいいというわけでもないようです。費用もかかるので、設置を検討している場合は住宅メーカーに相談し、きちんと話を聞いた方がよいでしょう。

制震装置をつけても、体感としての揺れに大きな違いは感じないといわれます。制震のメリットは、建物へのダメージを減らすこと。制震で建物の変形を防げれば、クロスの破れやタイルの落下など、内外装の被害を防げるという利点もあります。


建物に揺れを伝えない“免震”

高層マンションなどで採用されている“免震装置”。近年、住宅にも採用されるようになってきました。免震は、耐震や制震と異なり、地震の揺れそのものを建物に伝わりにくくするしくみ。基礎と建物の間に免震装置を設置し、地震の揺れを受け流して、建物の揺れを大幅に減らします。装置には、ボールベアリングなどが組み込まれています。設置条件や装置のしくみにもよりますが、地震のエネルギーを数分の1にまで低減するといわれています。

免震装置のイメージ図


「震度5弱以上の大きな地震で作動します。揺れは、ゆっくりした横揺れになるイメージです。実際に体験した方の話によると“船酔いのような感じ”をうけたそうです」(大和ハウス工業 山下さん)。震度4までの地震では作動しないので、小さな地震の場合は耐震構造で受けとめます。つまり、免震装置を採用しても、小さな地震は同様に体感しますし、大地震でも全く揺れないというわけではありません。

大きな地震で激しい揺れを感じずに済み、建物や家財の損傷も少なくて済む、精神的なダメージも少ないなど、免震には多くのメリットがありますが、一方で制限もあります。まずはコスト面。建物の大きさにもよりますが、3~400万円くらいの費用がかかります。また、軟弱地盤や液状化の危険性がある場所には設置できません。

「免震装置が作動した場合、建物本体が数10センチ動くので、周辺にスペースの余裕が必要ですし、室外機も少し離して置かないといけません。そのほか、デザイン面でも多少の制限が生じます」(トヨタホーム 泉さん)。「実際に大きな地震があった場合はもちろん、数年に一度は、床下の免震装置の点検をしておく必要があります」(ヤマダ・エスバイエルホーム 藤本さん)。免震住宅は、一般の耐震・制震住宅とは違った配慮が必要になるようです。それでも、先の東日本大震災を経験した各住宅メーカーの入居者からは「免震装置を取り入れてよかった」という声が聞かれたとか。滅多にないこととはいえ、激しい地震に見舞われたとき、ダメージを大きく減らす効果は実証されているようです。

耐震性を高めた家をベースに、さらに制震や免震を取り入れるか否かは、迷うところ。住んでいる地域や、予算、家づくりの条件などにより、選択肢はさまざまです。また、工法によっても判断は異なります。やはり、わが家にとってベストな方法を、一緒に探ってくれるような住宅メーカーに依頼することが大事だといえるでしょう。

ポイント!こんな見方をしてみよう

  • ・大地震でも倒壊しない「耐震性能」はスタンダード
  • ・「制震」は建物へのダメージを減らしてくれる
  • ・「免震」は揺れそのものを建物に伝えにくくしてくれる
  • ・「制震」「免震」をプラスするか否かは、諸条件によって判断が異なる
     わが家にとってのベストな方法を、住宅メーカーに相談しよう
 

(文責:イエノミカタ編集部)

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